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受講生・卒業生の声

物流7年から未経験でWebデザインへ|千葉の卒業生インタビュー

文:西脇 靖紘

高校を出てすぐ入った会社で7年働き、そこを辞めてスクールに入り直す。20代半ばでこの判断をするのは、想像以上に勇気が要ります。辞めた時点で収入は止まり、次の当てはまだない。周りからは「もったいない」と言われる可能性も高い。

デジタルハリウッドSTUDIO千葉を卒業した今津有規さんは、化学品物流会社に高卒で入社して約7年勤務したあと、退職してWebデザインを学び始めました。在学中はカフェでアルバイトをしながら課題を進め、実案件では名刺制作を担当してクライアントへのプレゼンも経験。卒業制作ではアパレルブランドのWebサイトを企画からコーディングまで一貫して手がけています。

そして現在は、古着ECサイトの運営に携わる予定だといいます。「Webデザイナーとして制作会社に転職する」という定番のルートとは少し違う進み方です。この記事では、今津さんが何を考えて7年勤めた会社を辞め、8ヶ月をどう使い、どこへ向かおうとしているのかを本人の言葉でたどります。

高卒で入った化学品物流会社での7年間

今津さんのキャリアのスタートは、Webとはまったく関係のない場所でした。

「入学前は化学品物流会社に高卒で入社し、約7年間勤務していました。デジタルハリウッドへの入学をきっかけに退職し、Webデザインを学び始めました」

7年というのは、けっして短くありません。高卒で18歳に入社したとすれば、25歳前後まで。仕事は一通りできるようになり、社内での立ち位置も固まってくる時期です。ここで辞めるという判断は、「まだ何者でもないから軽く動ける」段階を過ぎたあとの決断でした。

そして今津さんは、退職してから学び始めています。働きながら学ぶ選択肢もあったはずですが、そうしませんでした。ただし、収入を完全に断ったわけでもありません。

「在学中はカフェでアルバイトをしながら、デザインの勉強と両立していました」

正社員を辞め、アルバイトで生活を回しながら学習に時間を寄せる。20代でこの形を取れるのは、身軽さという意味では有利な条件です。40代以降で同じことをするのは、家族構成によってはかなり難しくなります。

ファッションとイラスト。Webデザインにつながった2本の線

Webデザインを学ぼうと思ったきっかけは、仕事の延長線上にはありませんでした。

「もともとファッションが好きで、アパレルEC業界に興味を持っていました。また、趣味でイラストを描いていたこともあり、何かを作り上げるクリエイティブな仕事に挑戦したいと考えるようになりました」

ここで押さえておきたいのは、今津さんの動機が最初から「アパレルEC」という具体的な行き先を持っていたことです。「Webデザイナーになりたい」ではなく「好きな領域に、作れる手段を持って入りたい」。この差は、あとで進路を決めるときに大きく効いてきます。

スクールを探し始めたきっかけは、ごくシンプルなものでした。

「Webサイトでスクールを探していた際に、デジタルハリウッドの存在を知りました」

そして、実際に校舎を見に来ています。

「見学に来た際に、校舎の雰囲気がとても温かく、学習しやすい環境だと感じました」

ただ、決め手になったのは雰囲気だけではありませんでした。

「ただ知識を学ぶだけでなく、コンペや卒業制作などを通して実践的な経験を積める点にも魅力を感じました。実際の仕事に近い形で制作に取り組める環境でスキルを身につけたいと思い、デジタルハリウッドへの入学を決めました」

7年勤めた会社を辞めて入る以上、「知識を学んだ」だけでは元が取れない。実際に手を動かして、外に出せるものを作れる環境かどうか。今津さんが見ていたのはそこでした。

朝に課題、昼にアルバイト。8ヶ月の組み立て方

在学中の一日について、今津さんはこう説明しています。

「在学中は、平日は学校の課題や自主制作に取り組みながら、カフェでアルバイトをしていました。朝に課題制作や動画学習を進めることが多かったです」

朝に学習を持ってくる、という点は見逃せません。多くの人は「仕事のあとに勉強する」計画を立てて、そして続きません。疲れた状態で新しいことを覚えるのは、単純に効率が悪いからです。

「アルバイトがある日は勤務前後に課題を進めるなど、学習と仕事を両立していました。アルバイトがない日は、デジタルハリウッドでの学習や卒業制作に時間を使い、IllustratorやPhotoshop、Webサイト制作のスキル取得に取り組んでいました」

アルバイトの日は「隙間で進める日」、ない日は「校舎でまとめて進める日」。この2種類を分けているのが、うまくいったポイントだと思います。すべての日を同じ密度で埋めようとすると、崩れたときに立て直せなくなります。

そして、生活そのものが変わったといいます。

「以前は物流関係の仕事をしていましたが、デザインを学ぶ中で『自分で考えたものを形にする楽しさ』を知り、挑戦することへの抵抗が少なくなりました」

「生活面では、課題制作や自習学習の時間を確保するために計画的に行動するようになり、時間管理の意識も高まりました」

「挑戦することへの抵抗が少なくなった」という変化は、スキルより先に効いてくるものです。7年間、決められた手順を正確に回す仕事をしていた人が、正解のない問いに向かうようになる。この切り替えができるかどうかが、実は最初の関門です。

実案件で名刺を作り、クライアントにプレゼンした

今津さんが受講中に取り組んだことのなかで、いちばん実務に近かったのがクライアントワークでした。

「クライアントワークでは名刺制作に挑戦し、実際の要望をもとにデザインを考えて、クライアント先にプレゼンをする経験をしました」

名刺は、一見すると小さな仕事に見えます。実際にはそうではありません。載せる情報が決まっていて、サイズも決まっていて、それでも「その会社らしさ」を出さなければならない。制約が多いぶん、ごまかしが効きません。

今津さんが苦戦したのも、そこでした。

「特に大変だったのは、デザインを0から考えることです。クライアントの業種やイメージに合うデザインを考えるために、参考資料を集めたり、色やフォントの組み合わせを何度も試したりしました」

そして、判断の基準が変わっていきます。

「見た目の良さだけではなく、情報の見やすさや伝わりやすさを意識して制作しました」

ここが、課題制作と実案件のいちばん大きな違いです。課題では「よくできているか」が評価軸になりますが、実案件では「相手が使えるか」が軸になります。そして相手は、デザインの良し悪しではなく「この名刺を渡して、伝わるか」で判断します。

さらに、プレゼンを経験しているのが大きい。作ったものを本人の前で説明し、なぜこのデザインなのかを言葉にする。この経験は、そのまま転職面接でのポートフォリオ説明に転用できます。

STUDIO千葉では、こうした実案件に受講生が関わる機会を用意しています。千葉都市モノレールの公式サイト「空中さんぽマップ」、千葉県香取市の名刺制作、千葉県長南町の地域情報サイト、VONDS市原FCのスターティングメンバー紹介動画、蓮沼ウォーターガーデンのSNS運用など、実際に千葉県内で動いている案件です。取り組んだ実績はクライアントワークの一覧にまとめています。

卒業制作「INDV」——企画からコーディングまで一貫して

卒業制作では、自分の興味の中心に戻っています。

「卒業制作では『INDV』というアパレルブランドをテーマにしたWebサイトを制作し、企画からデザイン、コーディングまで一貫して担当しました。自分の世界観を形にすることができ、特に思い入れのある作品です」

アパレルEC業界に興味があると言っていた今津さんが、アパレルブランドのサイトを作った。当たり前のようですが、これはポートフォリオとして正しい選択です。

採用側から見たとき、ポートフォリオで見られているのは技術力だけではありません。「この人は何が好きで、何を作りたい人なのか」が読み取れるかどうかが効きます。手当たり次第にジャンルの違うサイトを並べるより、行きたい業界のものを1本作り込むほうが、話が早い。

今津さんの卒業制作は、公開されています。Instagramのアカウント(@yu_kii_design)もあわせて掲載の許可をいただいています。

積極的に話すタイプではなかった。それでも交流は増えた

スクール選びで「受講生同士の交流」を気にする方は多い一方、人と話すのが得意ではないという方も同じくらい多い。今津さんは後者でした。

「私はもともと積極的に人と話すタイプではなかったのですが、授業や課題について相談したり、卒業制作の進捗を共有したりする中で、少しずつ交流が増えました」

ここで起きているのは「仲良くなろうとして交流した」ではなく「課題の話をしていたら交流になった」という順番です。共通の作業があると、雑談を経由せずに関係ができます。

「同じ目標に向かって頑張っている受講生の存在は大きな刺激になりました」

講師との関わりについても、具体的に語ってくれました。

「先生方には課題や制作物について何度もアドバイスをいただき、自分では気付けなかった改善点を知ることができました。特に、卒業制作では、デザイン面だけでなく考え方や伝え方についても丁寧にサポートしていただいたことが印象に残っています」

「考え方や伝え方」まで踏み込んだサポートというのが、独学との差が出るところです。デザインの良し悪しは調べれば情報が出てきますが、「なぜそうしたのかを、相手に伝わる形で説明する」は、誰かに聞いてもらわないと練習になりません。

STUDIO千葉には約40名のサポートスタッフがおり、校舎にトレーナーが在席する時間帯があります。どんな経歴の人が教えているかは講師・スタッフの一覧で確認できます。

古着EC運営へ。デザインを「手段」として持つ進み方

卒業後の今津さんの進路は、Web制作会社への転職ではありませんでした。

「現在はデジタルハリウッドでの学習を修了し、Webデザインや制作の知識・スキルを活かして新たなキャリアに挑戦する準備を進めています」

「今後は古着ECサイト運営の仕事に携わる予定で、商品の撮影やSNS運用など、デザイン以外の分野にも積極的に挑戦していきたいと考えています」

この進み方は、意識しておく価値があります。Webデザインを学んだ人の出口は、制作会社のデザイナー職だけではありません。事業会社の中でサイトやSNSを回す役割、ECの運営、広報、店舗のクリエイティブ担当——どれも「作れる人」が足りていないポジションです。

そして今津さんの場合、もともとの興味がアパレルECにあった。学ぶ前から行き先が決まっていたので、スキルをそこへ持ち込む形になりました。

「将来的にはデザイン・SNS・ファッションを掛け合わせながら、自分自身のブランドや発信力を強みにできる存在になりたいと考えています」

掛け合わせる、という発想です。デザインだけで勝負すると、上には無数に上手い人がいます。一方で「ファッションが分かっていて、撮影ができて、SNSが回せて、サイトも作れる」人はぐっと少なくなる。20代でこの組み立てができているのは、かなり有利だと思います。

最後に、これから学ぼうか迷っている方へのメッセージです。

「私自身、未経験からWebデザインの学習を始めたため、最初は不安もありました。しかし、実際に学び始めてみると、先生方のサポートや学習環境のおかげで、一歩ずつ成長することができました」

「学習中は分からないことや難しい課題に直面することもありますが、諦めずに継続することが大切だと思います。私もデザインを0から考えることやコーディングに苦戦しましたが、その経験が自信につながりました」

「もし少しでも興味があるのであれば、まずは挑戦してみることをおすすめします。新しい知識やスキルだけでなく、自分自身の可能性を広げるきっかけにもなると思います」

20代で仕事を辞めて学ぶという選択について

今津さんのケースを一般化しすぎるのは危険なので、条件を整理しておきます。仕事を辞めて学ぶか、続けながら学ぶかは、どちらが正しいというものではありません。

比較軸 辞めて学ぶ 働きながら学ぶ
学習に使える時間 まとまって取れる 細切れになりやすい
収入 止まる/アルバイトで補う 維持できる
校舎に行ける頻度 平日日中も可能 夜と週末に限られる
期限のプレッシャー 強い(貯金が減る) 弱い(だらけやすい)
向いている人 期限があると動ける人 収入が止まると集中できない人
受講期間の目安 6ヶ月で走りきりやすい 8〜12ヶ月を見込む

今津さんは「辞めて、アルバイトで補う」という中間を取りました。収入をゼロにせず、平日日中の時間は確保する。20代で扶養家族がいない条件なら、これはバランスの取れた選び方です。

一方で、貯金の残高が学習のペースを決めてしまう危険もあります。「あと3ヶ月で決めなければ」という状態で就職活動をすると、条件を見ずに決めがちです。辞めて学ぶなら、生活費の見通しを先に立てておくことをおすすめします。

STUDIO千葉では受講期間を最大1年間まで取れるようにしていますが、これは裏を返せば「6ヶ月で終わらない人がいる」という前提です。働きながら学ぶ方は、はじめから8〜10ヶ月で計画したほうが崩れません。

デジタルハリウッドSTUDIO千葉で学ぶ場合

今津さんが受講したWebデザイナー専攻を含め、主なコースは次のとおりです(すべて税込・2026年8月時点)。

コース 受講期間 受講料 内訳
Webデザイナー専攻 6ヶ月 572,000円 入学金55,000円/受講料385,000円/設備・教材費132,000円
グラフィックデザイン講座 4ヶ月 319,000円 入学金33,000円/受講料187,000円/設備・教材費99,000円
動画クリエイター専攻 4ヶ月 445,500円 入学金55,000円/受講料275,000円/設備・教材費115,500円

受講料は、給付金で最大80%が戻る場合があります

デジタルハリウッドの一部の講座は、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)」に認定されています。支給要件を満たして所定の手続きをし、講座を修了すると、厚生労働省の専門実践教育訓練給付金として教育訓練経費の最大80%(上限640,000円)が支給されます。

対象コース 定価(税込) 実質料金(最大80%の給付を受けた場合)
Webデザイナー専攻 572,000円 220,000円
Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス キャリアデザインプログラム 423,500円 190,300円
動画クリエイター専攻 445,500円 181,500円
グラフィックデザイン講座 319,000円 143,000円

⚠ 動画ディレクター専攻と Claude Code × Designer Bootcamp は、この制度の対象ではありません。給付の対象になるのは入学金と授業料で、設備・教材費やソフトウェアの購入費は含まれません。また、雇用保険の被保険者である(あった)ことなどの支給要件があり、受講開始の2週間前までにハローワークでの手続きが必要です。ご自身が対象になるかは、住民票のある地域を管轄するハローワークで必ず確認してください。対象講座・支給要件・申請の流れはReスキル講座と給付金のページにまとめています。

支払いは一括(銀行振込)または分割(学費ローン)から選べます。給付金・支援制度については、Reスキル講座(第四次産業革命スキル習得講座)と経済産業省リスキリング支援事業の対象講座がありますが、対象コースは講座によって異なり、支給率や要件も変わります。条件を満たすと受講料の一部が支給される仕組みですので、適用条件は個別カウンセリングでご確認ください。

校舎はJR千葉駅東口から徒歩5分、千葉中央駅東口から徒歩2分です。教室通学とオンラインの併用ができ、チャットでの質問も可能です。ほかの卒業生の進路は卒業生インタビューの一覧からご覧いただけます。

STUDIO千葉を選ばなくていい人

正直なところも書いておきます。次に当てはまる方には、STUDIO千葉は向きません。

1. 費用を最優先で抑えたい方。 Webデザイナー専攻は572,000円です。まず適性を確かめたい段階なら、無料の学習サイトや書籍から入って、続きそうだと分かってから検討するほうが合理的です。

2. 転職の成否を期限付きで確約してほしい方。 就職・転職のサポートは行っていますが、期限を切って結果をお約束する仕組みではありません。返金の条件が明記された設計を求めるなら、そういうサービスを選んだほうが期待とずれません。

3. 完全オンラインで済ませたい方。 オンラインだけでも受講できますが、今津さんが得たものの多くは「校舎で相談し、プレゼンし、他の受講生と進捗を共有する」ところから来ています。それを使わないなら、オンライン専業のスクールのほうが設計が合っています。

4. 千葉駅までの通学が1時間を大きく超える方。 通学の負担は後半になるほど効いてきます。より近い校舎を検討する価値があります。

逆に、千葉市・幕張・津田沼・船橋・市原・木更津・成田・茂原あたりから通える方で、実案件やプレゼンの経験を在学中に積みたいと考えているなら、STUDIO千葉は選択肢に入ると思います。

無料説明会では、実際の授業を体験していただき、施設をご案内したうえで、1対1でコースを解説します。所要1.5〜2時間、来校でもオンラインでも受けられ、持ち物は不要です。時間が取りづらい方は、予約フォームのコメント欄に「カジュアル説明会希望」と記入いただければ30分のカジュアル説明会も用意しています。「そもそもスクールに通うべきか」から一緒に考えます。

未経験のポートフォリオで、採用側が実際に見ているところ

今津さんは在学中に、名刺という実案件と、アパレルブランドサイトという卒業制作の2本を作りました。この組み合わせは、ポートフォリオとしてかなり強い形です。理由を分解しておきます。

1本目が「他人の要望から作ったもの」であること。 名刺制作では、クライアントの業種やイメージに合わせて0からデザインを起こし、本人の前でプレゼンしています。ここで示せるのは、デザインの技術ではなく「他人の要望を形に翻訳できる」という職業上の能力です。未経験者のポートフォリオは自主制作ばかりになりがちで、この一点が抜けやすい。

2本目が「自分の世界観を出したもの」であること。 卒業制作の「INDV」は、今津さん自身が好きなアパレルというテーマで、企画からコーディングまで一貫して担当しています。ここで示せるのは、方向性と粘り強さです。誰かに与えられた課題ではなく、自分でテーマを決めて最後まで作りきった、という事実そのものが情報になります。

この2本があると、面接で聞かれることに答えられるようになります。よく出るのは次のような問いです。

  • この作品で、いちばん悩んだところはどこですか
  • なぜこの色・このフォントにしたのですか
  • クライアントの要望と、自分の作りたいものがぶつかったらどうしますか
  • 作ったあとで、直すとしたらどこですか

今津さんは「参考資料を集めたり、色やフォントの組み合わせを何度も試したりしました」「見た目の良さだけではなく、情報の見やすさや伝わりやすさを意識して制作しました」と語っています。これはそのまま、上の2番目と3番目への答えになります。

逆に言えば、作品数だけ多くて「なぜそうしたか」を説明できないポートフォリオは、面接で沈みます。数を増やすより、説明できる状態の作品を2本持っているほうが強い。今津さんが「デザイン面だけでなく考え方や伝え方についても丁寧にサポートしていただいた」と振り返っているのは、まさにここの訓練です。

7年勤めた会社を辞める前に、決めておきたいこと

今津さんは退職してから学び始め、アルバイトで生活を回しました。同じ選択を検討している方に向けて、先に決めておくと後が楽になることを挙げておきます。

生活費が何ヶ月分あるかを数える。 ここが曖昧なまま辞めると、学習の後半で焦りが出ます。焦った状態の就職活動は、条件を見ずに決めがちです。受講期間ぶんプラス3ヶ月を目安に見ておくと、落ち着いて選べます。

アルバイトのシフトを、学習の型に合わせて組む。 今津さんは「朝に課題制作や動画学習を進めることが多かった」と言っています。頭が動く時間帯を学習に空けて、その周りにアルバイトを置く。逆順にすると、疲れた時間しか学習に残りません。

行きたい業界を1つ、先に決めておく。 今津さんはアパレルECという行き先を持ったまま入学しました。だから卒業制作のテーマも自然に決まり、進路も一本につながりました。まだ決まっていないなら、在学中の早い段階でトレーナーに相談して絞っていくほうがいい。テーマが決まらないまま卒業制作に入ると、その時点で数週間を失います。

辞めた理由を、前向きな言葉で言えるようにしておく。 転職面接では必ず聞かれます。今津さんの場合は「デザインを学ぶ中で、自分で考えたものを形にする楽しさを知り、挑戦することへの抵抗が少なくなった」という言い方ができます。前職を悪く言わずに、なぜ動いたかを説明できる状態にしておくと、話が通りやすくなります。

千葉で学び、千葉で働くという選択肢

Webデザインを学ぶとき、多くの人が最初に思い浮かべるのは都内のスクールです。実際、千葉県内から都内へ通う方もいます。ただ、通学のコストは思っているより効いてきます。

千葉駅から都内の主要駅までは、片道でおよそ1時間前後。往復2時間を週2回とすると、月に16時間です。6ヶ月なら約100時間。これは、卒業制作をもう1本作れるだけの時間です。

そして学習の後半、卒業制作が佳境に入る時期ほど「あと1時間相談したい」という場面が増えます。そのときに片道1時間の移動があるかどうかで、行くか行かないかの判断が変わってしまう。今津さんが「先生方には課題や制作物について何度もアドバイスをいただき」と言えているのは、通える距離にあったからでもあります。

働く先についても、千葉県内で完結させる選択肢はあります。STUDIO千葉を運営するlanitech合同会社は、千葉都市モノレールの公式Webサイト「空中さんぽマップ」、千葉県香取市の名刺、千葉県長南町の地域情報サイト、VONDS市原FCのスターティングメンバー紹介動画、蓮沼ウォーターガーデンのSNS運用など、千葉県内の案件を継続して手がけています。

こうした地域の案件は、都内の大規模案件と比べて派手さはありません。ただし、担当する範囲は広くなります。撮影もする、原稿も考える、SNSも回す、サイトも作る。今津さんが「商品の撮影やSNS運用など、デザイン以外の分野にも積極的に挑戦していきたい」と言っているのと、実は同じ話です。

ひとつの職能を深く突き詰めたいなら、案件数の多い都内のほうが機会は多い。一方で、複数の職能を掛け合わせて自分の形を作りたいなら、担当範囲の広い地域の仕事のほうが早く経験が溜まります。どちらが良いかではなく、どちらを取るかという話です。

千葉市・幕張・津田沼・船橋・市原・木更津・成田・茂原あたりにお住まいで、まだ行き先を決めきれていない段階なら、いったん千葉で始めてみるという判断は現実的だと思います。

物流の7年間は、デザインの仕事で無駄になるのか

異業種から来た方がよく気にするのが、「前職の経験は使えるのか」という点です。今津さんの場合は化学品物流でした。一見、デザインとの接点はなさそうに見えます。

ただ、物流の現場で身につくものを並べてみると、印象が変わります。決められた手順を正確に守ること。ミスが後工程にどう波及するかを想像すること。締切が動かない前提で段取りを組むこと。複数の案件が同時に走っている状態を把握し続けること。危険物を扱う現場であれば、確認の徹底も習慣になっています。

これらは、Web制作の現場でそのまま必要になるものです。制作の仕事は、華やかな部分より地味な部分のほうが圧倒的に多い。ファイルの命名規則を守る、指定どおりの書き出しをする、修正指示を取りこぼさない、公開日から逆算して作業を置く。ここが崩れる人は、どれだけセンスがあっても仕事が回りません。

今津さん自身も、在学中の変化として時間管理を挙げています。

「課題制作や自習学習の時間を確保するために計画的に行動するようになり、時間管理の意識も高まりました」

一方で、切り替えが必要な部分もあります。物流の仕事には基本的に「正解」があります。手順書があり、そのとおりにやることが品質です。デザインには、その意味での正解がありません。今津さんが「デザインを0から考えること」を最も大変だったと語っているのは、この切り替えのことだと思います。

「以前は物流関係の仕事をしていましたが、デザインを学ぶ中で『自分で考えたものを形にする楽しさ』を知り、挑戦することへの抵抗が少なくなりました」

正解のない問いに向かうことへの抵抗が下がる。これが起きるまでには、どうしても時間がかかります。そしてこの期間は、教材を早く進めても短縮できません。人に見てもらって、指摘を受けて、直して、また見てもらう——その往復の回数でしか進まない部分です。

スクールに通う価値がいちばん出るのは、実はここだと考えています。知識だけなら独学でも手に入ります。「0から考える」ことへの抵抗を下げるには、見てくれる相手が必要です。

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