Webデザイン
鹿島パラダイスビアファクトリー様|ブランドサイトリニューアル
茨城県鹿嶋市の六次化農業ブランド、鹿島パラダイスビアファクトリー様のブランドサイトリニューアルです。自然栽培から醸造・製造・販売まで一貫して手がけられている生産者で、クラフトビールやジェラートを展開されています。

「店」ではなく「哲学」を出す
難しかったのは、何を売るサイトにするかでした。商品を並べればECになりますが、それではこのブランドの本体が伝わりません。無農薬・無肥料の自然栽培から始めて、鹿島神宮の湧き水を使い、すべて自分たちの手で作る。「世界一おいしいものを作るために、どこまで自分でやるか」という社会実験そのものがブランドの中身です。
そこで、商品単体ではなくブランドの考え方を先に見せる構成にしました。「鹿島神宮の大地より」「自らの手で育む」といったコンセプトのセクションを上部に置き、ここを読んでから商品に降りる流れです。
デザインで決めたこと
- 書体は明朝で通す — 和文はしっぽり明朝、欧文はTimes New Roman。クラフトビールのサイトはゴシックとポップな配色が定番ですが、ここは真逆に振りました。2600年の歴史がある土地の話をしているので、書体でその時間軸を出す
- ベースカラーは黒か白に絞る — 写真がすべて自然物(森・土・苔・作物)で、それ自体が色を持っている。背景に色を足すと必ず濁るので、地の色は排除する方向で統一
- ファーストビューは動画 — 農作業と醸造のシーンを短いカットでつなぎ、ループさせる。「誰が作っているか」を最初の数秒で見せる
アコーディオンの二重構造をやめる
情報設計でいちばん手を入れたのがナビゲーションです。扱うコンテンツが多いためアコーディオンメニューを採用していますが、当初案では階層が二重になっていました。開いて、さらに開く。2回開かないと目的地が見えないメニューは、実質的に存在しないのと同じです。
そこで「自然の恵みを感じる」を独立したメニューに引き上げ、階層をひとつ潰しました。あわせて、訪問者が最初に知りたい商品情報を「PICKUP」として画面の早い位置に出しています。ブランドの物語を読ませたい作り手側の欲求と、商品を見たい訪問者の目的を、上下に並べて両立させる形です。
多言語は、直訳しない
海外展開を視野に入れた案件でもありました。ここで社内で議論になったのが、翻訳の方針です。ブランド名に含まれる「パラダイス」という語は、言語圏によって受け取られ方が変わります。日本語のコピーをそのまま英訳すると、意図と違う軽さが出てしまう。
言葉を移すのではなく、想いを移す。この方針を決めたうえで、コピーの一つひとつを検討しました。
受講生の関わり方
デザインコンペ形式で、複数の受講生が同時に案を出しています。同じヒアリングから出発しても、情報の並べ方と写真の使い方でまったく違うサイトになる。採用案が1つに絞られる過程そのものが教材になっている案件です。
関連リンク
このページについて:ブランドの内容は公開サイトの掲載によります。デザイン提案は複数案を並走させたため、公開中のサイトと提案内容が一致しない箇所があります。
