サイン計画/グラフィック
千葉県警察様|佐倉警察署の多言語案内板
佐倉警察署様の入口に立てる、多言語対応の案内板です。現在も進行中の案件で、ここに書いているのは設計の考え方までです。
「4言語を1枚に載せる」が成立しない理由
ご相談は、外国籍の方が窓口で迷わないようにしたい、というものでした。日本語に加えて、ダリー語・シンハラ語・英語、のちにタガログ語も候補に入り、最大4言語を扱うことになります。
いちばん素直な発想は、1枚の板に4言語を並べることです。しかしこれは、実寸で組むと成立しません。
現状の案内板は縦90cm×横70cm。拡大しても縦140cm×横120cm弱です。ここに窓口案内とフロアマップを載せ、さらに4言語ぶんのテキストを入れる。言語が4つになれば、1言語あたりの文字は4分の1の面積に押し込まれます。 結果として、日本語話者にも外国籍の方にも読めない板ができあがる。多言語対応をしたのに、誰も読めない。
時間で分ける、という解き方
そこで提案したのが、面積で分けるのをやめて、時間で分ける案です。
案A:デジタルサイネージ(最有力)
モニターを設置し、言語ごとに画面を切り替えてループ表示する。日本語 → 英語 → シンハラ語 → タガログ語、の順に自動で回します。
1画面が1言語だけを担当するので、文字サイズを4倍近く大きく組めます。 加えて、文言を差し替えられる。窓口の名称や受付時間が変わったときに、板を作り直す必要がありません。
案B:紙媒体の併用
言語ごとに案内チラシを分け、現地に並べて置く。電源も予算も要らず、来署された方が持ち帰れます。サイネージと組み合わせて、「見る」と「持つ」を分担させる形も検討しています。
署の外観から形を借りる
デザインの方向としては、佐倉警察署様の建物の瓦屋根を意識した形を検討しています。案内板を「その建物の一部」に見せることで、初めて来た人にとって、どれが公式の案内なのかが直感的にわかる。街の中に立つサインは、周囲から浮かないことが機能につながります。
板は上下で役割を分けています。上部が窓口案内、下部がフロアマップ。「何の用事か」を選んでから「どこへ行くか」を見るという順番です。
あわせて、子ども向けの簡易版も別途検討しています。
この案件で受講生が学ぶこと
紙でもWebでもない、実寸のある物のデザインです。人が立って見上げる高さ、目から板までの距離、そこから逆算した最小文字サイズ。画面の中では確かめられない制約が全部かかってきます。
そして翻訳の正確性は、警察署側で確認いただく体制にしています。デザイナーが判断してはいけない領域を、最初に線引きしておくのも設計のうちです。
受講生の関わり方
コンペ形式ではなく、手挙げ制で対応しています。佐倉警察署様と複数回の打ち合わせを重ねながら進めている案件です。
関連リンク
このページについて:進行中の案件です。最終的な仕様は変わる可能性があります。契約条件・費用は掲載していません。
参考:https://www.police.pref.chiba.jp/police_department/sakura/index.html
