動画/グラフィック/キャラクターデザイン
千葉県警察様|闇バイト啓発の動画とポスター
千葉県警察本部 少年課様との、闇バイト啓発の案件です。高校生・大学生に向けた啓発動画と、B2サイズのポスターを制作しました。
いちばん届きにくい相手に、いちばん重い話をする
闇バイトの啓発は、広報物のなかでも難易度が高い部類です。理由は3つあります。
- 当事者が「自分は関係ない」と思っている — 危ないと知っている人は、そもそも読まない
- 正論が効かない — 「犯罪です」「やめましょう」は、すでに全員が知っている
- 入口が日常の顔をしている — SNSに流れてくる「高収入・即日払い」は、危険な見た目をしていない
ミッションとして設定したのは次の3点です。①闇バイトの危険性を正しく伝える ②「自分には関係ない」と思っている若者の関心を引く ③被害者にも加害者にもならないための知識を届ける。テーマは「闇バイトで人生を棒に振らないために知っておくべき5つのこと」としました。
デザインの核 ─ 「闇」を人の形にした
この案件でいちばん効いているのが、キャラクターの設計です。
勧誘してくる側を、「闇」という漢字がそのまま顔になった人物として描いています。紫のスーツに帽子、手にはスマートフォン。帽子のつばに手をかけて、こちらを見ている。
ここには判断が2つ入っています。
1. 怖くしすぎない
闇バイトの啓発ビジュアルは、黒とドクロと血しぶきに寄りがちです。それをやると、見た人は「自分と関係ない世界の話」として処理してしまう。 このキャラクターは、少しコミカルで、どこか軽い。だから見られる。そして軽いまま近づいてくるところが、実際の勧誘の質感にも近い。
2. 文字を絵にする
「闇」の字を顔にしたことで、キャラクターの名前を覚えなくても、何者かが一目で伝わります。言語化の手間をゼロにする設計です。ポスター、動画、ステッカーと媒体をまたいで使っても、説明が要りません。
スマートフォンを持たせているのも同じ理屈です。闇バイトの入口はSNSであるという事実を、セリフではなく小道具で示しています。
動画 ─ 一枚絵をアニメにする
啓発動画では、既存の漫画イラストを動かす必要がありました。もとの素材は一枚絵です。これをそのまま映すと、静止画のスライドショーにしかなりません。
そこで、一枚絵をパーツごとに分解し、腕・口・目を別レイヤーにしてから動かす方法をとりました。全部を描き直さずに、動きだけを足す。限られた素材で映像にするときの、実務的な解き方です。
クレジットは「今後の幸せな人生のために/デジタルハリウッドSTUDIO千葉 by lanitech合同会社/千葉県警察本部少年課」に統一しました。
高校生の目線を、高校生から借りる
動画の企画では、成美学園高等部様の授業と連携しました。アイデア出しと意見収集を、実際の高校生に参加してもらって行っています。
「自分には関係ないと思っている若者に届ける」という課題に対して、いちばん確実な検証方法は、その若者に見てもらうことです。大人だけで作った「若者向け」は、たいてい若者に届きません。
ポスター ─ B2、片面
ポスターはB2サイズ・片面。県内の学校への掲示と、キャンペーンイベントでの使用を想定しています。ターゲットは中高生・大学生・専門学校生。
B2は、廊下や掲示板で歩きながら見られるサイズです。立ち止まって読む前提では作れません。サムネイル案を6案出したうえで方向を選び、そこから作り込んでいます。
受講生の関わり方
ポスターは Local Design C-LAB(当校の卒業生コミュニティ)会員向けのコンペとして実施しました。学習歴・制作経験は不問としています。サムネイル案の段階で方向性を絞り、そこから制作に入る進め方です。動画は受講生が制作し、ナレーションも担当しました。
関連リンク
このページについて:制作の内容は当校の記録によります。動画は限定公開のため本ページに掲載していません。契約条件・費用は掲載していません。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000131259.html
