グラフィック/サイン
ヴァンサンカン・パンセ様|看板デザイン
愛媛県松山市のサロン、ヴァンサンカン・パンセ様の看板です。館内にあるレストランのメニューリニューアルに合わせて、入口に立てるA型看板を卒業生が制作しました。あわせて、レストランからサロンへの動線をどう作るかの企画コンペも実施しています。

看板は「読ませる」場所ではない
この看板が置かれるのは、店の前の歩道です。読む人は歩いています。立ち止まってもらえる時間は、長くて2〜3秒。
その時間で伝えるべきことは3つだけです。ランチをやっている/いくらか/どんな料理か。メニューの全品目を載せることではありません。
黒地を選んだ理由
看板は黒地に白文字で組んでいます。サロンの建物は明るいベージュのタイル張りで、周囲も白っぽい。ここに白い看板を置くと、背景に溶けます。 黒はいちばん強いコントラストを作れて、しかも料理写真の色を邪魔しません。
料理写真は横一列に等間隔で並べ、それぞれの下に品名と価格を置きました。写真のサイズを全部同じにしているのが要点です。おすすめを大きくしたくなりますが、それをやると「選べる」感じが消える。ここでは、選択肢が並んでいることそのものが情報でした。
LUNCH MENU と DESSERT MENU で段を分ける
上段がランチ、下段がデザート。時間帯と目的が違う2つのメニューを、横に混ぜず、上下で分けています。 昼に来た人は上を見て、お茶をしに来た人は下を見る。看板の前で「自分の段」を探せる構造です。
本当の課題は、動線だった
この案件で面白いのは、看板だけで終わっていない点です。
ヴァンサンカン・パンセ様は、創業50年の総合サロンです。建物のなかにレストランがあり、その奥にサロンがある。レストランに来たお客様に、サロンの存在をどう知ってもらうかが、実際の課題でした。
そこで、看板の制作と並行して、館内の動線をどう設計するかの企画コンペを実施しています。在校生と卒業生が現地に赴き、ヒアリング会を行いました。1枚の看板を作るために建物全体を見に行く、という進め方です。
創業50年のサロンが持っている言葉
ヒアリング会は現地とオンラインの併用で開催し、社内から40名近くが参加・視聴しました。この案件を特徴づけているのは、代表の方が持っている言葉の強さです。
エステ以上、医療未満
治療ではないが、癒しだけでもない。予防ケアとしてのトータルライフケアという位置づけを、50年かけて作られてきたサロンです。パリのエステ文化に着想を得ながら、非日常性と身近さを同時に成立させる。
看板のトーンを決めたのは、この一言でした。華美にしすぎない。かといって、街の定食屋にも見せない。 黒地に白の細い書体という選択は、そこから来ています。
受講生の関わり方
看板の制作は卒業生が担当し、動線の企画はコンペ形式で在校生・卒業生が参加しました。
関連リンク
このページについて:成果物の写真は当校の制作記録によります。ブランドの考え方はヒアリング会での代表の方のお話によります。費用は掲載していません。
参考:https://school.dhw.co.jp/school/chiba/blog/clientwork_2025.html
