グラフィック/車両ラッピング
VONDS市原FC様|チームバスのフルラッピングデザイン
VONDS市原FC様のチームバスのフルラッピングデザインです。受講生のコンペで案を出し、クラブ公式サイトでのファン投票を経て採用案が決まりました。施工は車両ラッピングの専門会社であるトリムデザイン様が担当されています。

キャンバスが、動く
大型バスのラッピングは、デザインの対象としてかなり特殊です。
- 面が平らではない — 車体は緩やかに曲がっていて、パーツごとに段差がある
- 使えない場所が決まっている — ミラー、エアコン部、ウィンカー、銀色の斜めライン。ここには絵を置けない
- 見る距離が一定しない — 駐車場で真横から見る人と、走行中に一瞬すれ違う人がいる
- スポンサーの領域がある — ロゴの掲出サイズと位置は先に決まっている
- やり直しがきかない — 施工したら数年間そのまま走る
つまり、「絵を描く」のではなく「制約の中に絵を通す」仕事です。
決まっていた条件
ヒアリングで、デザインの前提を先に固めました。ベースカラーはチームカラーの緑か黒。窓から上は単色、窓下はグラデーション可。旧バスの赤とベージュは使わない。スポンサーは6社、白ロゴで縦20cm×横最大80cm、両面同じ配置。正面のロゴはマグネットで貼り替えられるようにする。
条件を全部書き出してから描き始める。 ここを飛ばすと、きれいな案が「施工できません」で全部やり直しになります。
デザイン ─ 黒から緑へ、走る方向に流す
採用案は、車体前方を黒、後方に向かって深緑へ抜けるグラデーションです。
この方向の取り方に意味があります。色が後ろに流れることで、止まっているときでも進んでいるように見える。 前が濃く、後ろが明るい。バスが横を通り過ぎるとき、視線は自然に前から後ろへ流れます。
側面中央には「VONDS ICHIHARA」のロゴを大きく置き、その後方にクラブエンブレムを配置しました。ロゴとエンブレムを離しているのは、離れた距離からはロゴだけが読め、近づくとエンブレムが見えるという二段構えにするためです。
窓から上は黒の単色で締めています。ここに絵を入れないことで、下半分のグラデーションが効きます。面を全部使わないことが、この案のいちばんの判断でした。
施工されたトリムデザイン様からは、「グラデーション表現は塗装では再現が難しく、ステッカーラッピングならではの仕上がりになった」とコメントをいただいています。


ファン投票で決まった
この案件のもうひとつの特徴が、決め方です。
受講生が制作したデザインから、クラブ様と施工会社が実装可能な案を絞り込み、そのうえでクラブ公式サイトでファン投票を実施しました。デザインを決めるのは発注者でもデザイナーでもなく、そのバスを見て応援する人たちです。
デザイナーにとっては、自分の案が公開の場で比較されるということでもあります。プレゼンで説明を尽くして通すのではなく、説明なしで並んだときに選ばれるかどうか。実務でもなかなかない条件でした。
受講生の関わり方
コンペ形式で受講生が制作し、採用案はイラストレーターのデータとして施工会社様に納品しました。そこから車両の実寸に合わせた調整が入ります。「画面の中で完成」ではなく「製造できるデータ」で終わる案件です。
関連リンク
- 施工事例:VONDS市原FC様 チームバスラッピング(トリムデザイン様)
- VONDS市原FC様|クリエイティブパートナーとしての継続支援
- VONDS市原FC様 公式サイト
- 市原市からデザイン・動画を学ぶ
このページについて:施工後の写真は、施工を担当されたトリムデザイン様の施工事例ページからお借りしています。デザインの仕様はヒアリング記録によります。契約条件・費用は掲載していません。
